サーモン

「サケ」と「マス」「サーモン」の違いを語るとなぜ炎上するのか

どうも、サーモン中尾じゃけぇ！
サーモンクラウドファンディングを初めて早一週間！沢山のご支援ありがとうございマス！！

あと一ヶ月ほどで終了なので、ぜひ覗いてもらえれば有難いです！

…はい、ということで先日、ネット上でこんなTweetが話題になっておりましたね…

実はこれ、私が9月16日放送の関西ABCテレビ「CAST」でお話ししたサケ・マスの話が元になっている（と思う）のだが、やはり、プチ炎上しておりました….

確かに「サーモンは原則いったんは冷凍する」等、
少し間違った点はありますが（養殖サーモンは冷凍されず生のまま刺身用に売られているものも多い）

今のご時世「サケ」「サーモン」を語るとすぐに炎上してしまうんです！

それはなぜかって…？？ 

サーモンのアップデートに世の中が追いついてないからです(迫真)

そう、世の中のサーモン情報が20~30年前で止まったままなんですよね…
サーモンは数ある魚の中でも最先端を突き進む魚、今でも毎年アップデートされ続けていマス！
サケ科魚類はただでさえややこしい魚なのに…

残念ながら、多くの人が今とは異なる過去のある時点の鮭情報をピックアップして語っているのです。

それもそのはず例えば「サーモン」「鮭」の違いでググってトップ表示されるサイトですら、

鮭と呼ばれる銀鮭（ギンザケ）。
この銀鮭は英語でいうところの トラウト、つまり鱒なのです。

ちなみに外来種のサーモンは、養殖の技術が発展しているため生食OK！

鮭とサーモンってどう違うの？栄養の違いは？ーはてなスッキリ

ちょ、まてまて待てい！
 銀鮭は英語でいうところのCoho Salmon/Silver Salmonだし
養殖サーモンは殆ど生食可能で、今や国産サーモンが多数出てきてるし、、

他にもよくある間違いを言えばこんなとこでしょう。

・サケは海の魚、マスは川の魚でしょ？
・サーモンは海の魚でしょ？外国産でしょ？

テレビでは内容が細かすぎて、ざっくりとしかお話しできないので

ここでは少し深掘って、サケ科魚類が日本においてどうアップデートされてきたのかを、100年前から簡単に振り返ってみましょう。

※全て完全に抜け漏れなく網羅されている訳ではございません、概ねの流れとしてご理解いただければ。
(外れ値(種)が多すぎますので…)

約100年前

単純明快、サケ一強！

サケといったら鮭(白鮭)！これしかいません！
サケと言ったらサケだったんです！

ということで、サケ以外の海のサケ科魚類は全て「マス」
今紅鮭や銀鮭と呼ばれている魚も元々は「ベニマス」「ギンマス」だったんですよね。

100年前には無論サーモンいう呼び名もなく、サケ科魚類で養殖魚といったら、ニジマスくらいのものでした。

そう、サケだけが特別の呼び名だったんです！

30~40年前

外国産養殖サーモンの台頭

この頃になるとギンマス・ベニマスという呼ばれ方はされず、もはや銀鮭・紅鮭として定着するようになりました。

え、なぜかって…？それは….

“サケ”の方が特別感もあり、売れるからです。(単純!!)

実はサケ科の魚たちは、流行りに乗っかって名前を変えがちなんです。(お笑い芸人かよ)

また、特筆すべきは、この頃から海外から養殖サーモンが輸入されはじめ、日本のサーモンマーケットは大きく変わりました。サーモンを生で食べ始めたのって意外と最近なんですよね。

ちなみにですが、ご存知の通り養殖で育ったサーモンは管理された餌を食べているので、寄生虫の心配はございません！（過去記事参照：刺身用サーモンに寄生虫アニサキスは絶対に存在しない！プロが真相を語る！）

そしてこの頃の名残で、
生で食べられるものは「サーモン」
焼いて食べるものは「サケ」
という住み分けが今でもされることが多いのです。

そして現在…

マスもサケも全て”サーモン”に！！？

げげ、なんだこれは、、、もうよくわからんが一つずつ見ていきましょう…

【ご当地サーモンの台頭】

いまやご当地サーモン戦国時代と言われるほど全国各地でサーモン養殖が進んでおり、海水/淡水問わず、北は北海道から九州まで生産されています。

海なし県でもサーモンは育てられており(信州サーモン等)、今では100種類以上のご当地サーモンが生まれているのです！

昨年はマツコの知らない世界もに出演した際に熱くお話しさせていただきました。

【全てサーモン】

前述の「生で食べられるものはサーモン」、「焼いて食べるものはサケ」という住み分けも今では崩壊しつつあり、今となっては天然のサケやマス等、全てサーモンとして売られているものを目にするようになりました。

それは、なぜかって…??
(お気づきかと思いますが…)

サーモンの方が売れるからです(単純!!!)

半世紀以上前にマスをサケと呼ぶようになったのと同様、今では以前「サケ」や「マス」だったものが「サーモン」としても売られているように、市場が少しづつ変わってきているのです。

例えば北海道を主な産地とするカラフトマスはオホーツクサーモンとして売られていたり、、

サケの本丸「白サケ」までもが、今では「北海道サーモン」という名で売られているのも、しばしば目にします。

引用：北海道サーモン刺身　ーさとふる 

という流れで、今となっては商品の特性やターゲットに応じて、自由に「鮭」や「サーモン」として、どちらの名前でも売られています。

【サケ目サケ科の魚類は全て”サケ”ではないのか】

よく聞かれるこの質問…

確かにここで紹介した、白鮭やサクラマス、ニジマス、イワナ等全てが分類学上サケ目サケ科に属します。
だったら全てサケなんじゃないかって？

それは違う気がするんですよね…

例えばマグロを見てみましょう。

実はマグロは「スズキ目サバ科」の魚！
ではマグロは全てスズキなのか？
それともサバなのか？
と言われると、なんだか違いますよね。

いやーややこしい。。。

サー問題です！(唐突)

ちなみにですがご当地ブランドサーモンの魚種ってなにかわかりマス？

答えはこちら……………..


もうここまでくると、わかんないですよね…苦笑
ギンヒカリ(ニジマス)とかいわれても


ちなみにこちらは、ご当地サーモンの紅富士 （ニジマス）

サケ界にこれまでの常識は通用しない

ニジマスのくせに、
プレミアムラスサーモンってなんだよ！
紅富士ってなんなんなんだよ！

と思ったあなた、
ニジマスも毎年進化しており、今めちゃくちゃ美味いです。ちなみに脂も乗ってマス…

もしや回転寿司のサーモンは代用魚としてニジマスが…(笑)
なんて古いこと言ってるんじゃないでしょうね…

そう、サケ界のアップデートは他の生物とは一線を画する程甚だしいのです。
例えば….

サケ（白鮭）は全て天然だって？だから生では食べられないだって？

いつの話をしてるんですか!!
今や山形県が「鮭子」という名前で刺身用の養殖シロザケを開発してますよ！
シロザケ「鮭子」生で愛して　刺し身向け、山形県が開発

さ、さすがに紅鮭は養殖ものはなく、塩辛い焼鮭の定番で居続けるって…??

紅鮭の養殖も事業化に向け実証実験が開始されています！
少し先の未来では刺身と言ったら養殖の紅鮭という日がくるかもしれません。
ベニザケ養殖事業化へ　根室港で実証実験開始　費用対効果を検証北海道新聞 電子版

北海道のサクラマスはサーモンとして売られてることは見たことないよ！

実は淡路島サーモンというご当地サーモンはサクラマスですし、
今や九州(宮崎県)でも学生がベンチャーを立ち上げ、サクラマスの養殖に挑んでいます。
サクラマス養殖商業化へ前進 宮崎大内ベンチャー

もはやサーモン養殖の概念も変わりつつあります。

アトランティックサーモンは海の魚なんてことは常識だったのですが、
日本で着工中のアトランティックサーモンの養殖場はなんと陸上ですし、、
サーモンを陸上で養殖、三重に施設　22年出荷開始

ご当地サーモンも今や掛け合わせが主流
絹姫サーモンは、ニジマスとアマゴ (orイワナ)を
富士の介というご当地サーモンはニジマスとキングサーモンを掛け合わせたものであり

これはニジマスなの？銀鮭なの？
というわけではなく、もうご当地サーモンはご当地サーモンなんです！

まとめ

分類学と一般的な呼称、海外/国内の呼び方、等々複雑に絡み合ってカオスな状況なのがご理解頂けましたでしょうか…

いや、もはやカオスな状況だってことだけでも理解してもらえれば、十分な気もします！笑

これだけ複雑、群雄割拠の時代なので、みなさん一人一人推しのサーモンを見つけ、個別の名前をちゃんと覚えてあげるといいのかもね。

この現象今のアイドル市況に似てる….いやサーモンはアイドルだった…!?!?

なんといっても今サーモンが面白いのは、まさに現在進行形で文化が作られつつある魚であり、日本の魚食文化を作っていける魚だからな気もします。(魚食離れの中でもサーモンの消費量は年々増えてるしね)

先日サーモン科学館の館長と対談させて頂いた際も似たようなことおっしゃってたなぁ。

そうそう、マグロについては意外に日本人のみなさんお詳しいのですが、サーモンのことは知らなかったりするんですよね。

というのもマグロは寿司屋のカウンターや、解体ショー等でよくメディアに取り上げられ、ちゃんと情報が拡散されていたからだと思うのですが、サーモンはそういう語り手がいなかったんですよね。

サーモンのアップデートに負けないよう、私自身も頑張らないと…

ということでサーモンの面白雑学や豆知識 を語り尽くすサーモン解体ショーの実施に向け、
クラウドファンディングを実施しますので、ご支援いただければと死ぬほど嬉しいです(嬉死します)

返礼品には私が選ぶ豪華サーモン利き鮭セットや、
マツコの知らない世界やNHKガッテンでも話題になった
オリジナルTシャツ(T-シャケ)をご用意しておりますので

覗いてもらえれば幸いです！

要望あればもっと詳しく書きたいところですが今日はこのへんで

ああ、鮭についてもっと叫びたい….

はい、ここまで読んで頂いてありがとう御座いマス！！

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